イザベラ・デステ

ティント「芸術と狂気」高階秀爾訳・岩波書店・1965年からの引用

「彼らは毎日、現在のわれわれが想像することもできないくらいの身の危険と緊急の仕事に追いまくられていた。そのような恐るべき厄介な生活の最中で、なおかつ彼らが芸術家たちと論争し、相手を自分の意志に従わせようと努力する時間を見出し得たのは、芸術が彼らにとって毎日の食糧のように必要不可欠のものであって、それなしには生きて行くことのできないものだったからである。そして、思うにまさにこの点にこそ問題の根本が存する」

ティツィアーノが描いたイザベラ・デステ。イザベラを自分を描かせるためにどれほどの厳しい注文を出したのか。ティツィアーノは「この女、いつか殺してやる」くらいに思ったかもね。プロデューサというのはそういうものかも。