「新自由主義経済」と民主主義の持続可能性

 べネズエラのチャベス政権に続いて、中米のエクアドルや、南米のペルーに相次いで反米左派政権が誕生している。チャベスほど極端ではないにせよ、米国と距離を置く政権が中南米に広がっている。その背景に、1990年代から、各国は市場開放や積極的に外資を導入する「新自由主義経済」による経済改革に取り組んできた結果として貧困や失業、格差拡大が各国に共通の問題として拡大しているせい。インフレ抑制などの成果はあったが、国営企業民営化や市場原理による効率化は雇用増につながらず、かえって貧富の差を広げる結果となっている。日本はファンダメンタルがあるせいもあって、単純には中南米の「民主主義者と大衆迎合主義者(ポピュリスト)との間の抗争」という事態にはならないだろうけど。