選挙の経済学

今年の夏祭りは選挙になりそうである。本書は選挙が民主主義ににとってどれほどのものかという疑義を提示している。おもしろい。たしかに直感的にも投票行動にはどこか虚しさを感じることが多い。ほとんどの政治学者も同様である。経済が選挙という政治的なイベントにとってネガティヴな要素になることが多く、それがゆえに政治的な正当性や中立性はますます幻想にちかいものとなる。著者は別に民主主義を否定しているわけではない。否定しているのは投票行動が政策を合理的に選択することにはなっていないとする点である。民主主義の危機はこうした経済的な要素の位置づけやメディアの市場メカニズムとともに議論されなければならない。

選挙の経済学

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